にんじんの種類、栄養、選び方、おいしい調理法、保存法などを紹介しています。
にんじんの栄養
にんじんは緑黄色野菜ですが、根野菜の中では珍しい野菜です。
にんじんのオレンジ色はカロテンの色素によるものです。カロテンの含有量は緑黄色野菜の中でもトップクラスです。
このカロテンは体内でビタミンAに変わります。
成人の1日に必要なビタミンAをカバーするには、にんじん1/2本(約50g)といわれています。
カロテンは、油に溶けやすい物質のためバターや油で調理することで吸収されやすくなります。
にんじんのソテーやかき揚げ、きんぴらなどは最適なにんじんの食べ方といえます。
また、βカロテンは抗酸化作用をもっており、活性酸素の人体への被害を防ぐだけでなく、人間に必要な量をビタミンAに変わって、粘膜をはじめ皮膚などを健康な状態に保つ働きがあります。
にんじんには、カロテンの他にも多くの栄養素やミネラルが含まれています。
にんじんに含まれている栄養素は、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCがあり、ミネラルには、鉄分、カリウム、カルシウムなどがあります。
にんじんに含まれる栄養素、ミネラルの特徴
食物繊維
食物繊維には、便通をよくするペクチンが含まれています。ペクチンは他に高血圧や動脈硬化を予防します。
鉄
鉄は血液をつくるのを促し、血行をよくします。貧血をはじめ疲労回復や虚弱体質に役立ちます。
カリウム
カリウムは体内のナトリウムを排出するため血圧を下げる作用があります。
にんじんの種類
にんじんには様々な種類がありますが有名な3種類のにんじんを紹介します。
5寸にんじん
5寸にんじんは、根の長さが15センチ~20センチのにんじんです。特徴は根の先が丸く詰まっているものが多い点です。現在の品種は、この五寸型が主流です。
金時にんじん
金時にんじんは、京にんじんとも呼ばれ東洋系のにんじんとして唯一残っている種類です。にんじん臭さが少なく紅色の肉質が柔らかく甘味があるのが特徴です。金時にんじんの長さは約30センチの中長方です。
大長にんじん
大長にんじんは、西洋系のにんじんで長さは60センチ~70センチにもなります。大長にんじんは、甘味が強く柔らかいのが特徴で、正月料理にまれに見られます。しかし、栽培に手間がかかるにんじんでとして知られています。
にんじんの選び方
にんじんの選び方を紹介します。
赤味の強いにんじんほどカロテンが多いとされます。選ぶ際は色が濃く鮮やかなものを選択しましょう。
にんじんの表面は、ハリがありなめらかでツルンとしたものがよく、ひげは少ないものがよいでしょう。逆に表面に黒ずみのあるものは甘味に欠けるといわれます。この黒ずみが多く見られるのは首の部分、茎の周囲です。
にんじんの調理法(調理のコツ)
にんじんの外側には栄養素が豊富に含まれ、特にカロテンが含まれています。このため皮をむく際は薄めにむくように心がけましょう。しかし、にんじんの皮にはアクも含まれるため煮物やサラダ等の生で食べる場合、見た目や味を重視する場合は、厚めに皮をむきます。むいて残った皮はきんぴらやかき揚げに利用できます。
にんじんを調理する時、注意しなければならないのはアスコルビナーゼという酵素です。アスコルビナーゼは、ビタミンCを壊ししてしまう酵素でにんじんのビタミンCはもちろん一緒に調理した他の野菜や食材のビタミンCも破壊してしまいます。アスコルビナーゼは、熱と酸に弱いため、茹でる・炒める・酢を加えることでビタミンCを壊すのを防ぐことができます。生で調理する際は、お酢や柑橘系の果汁を混ぜるとよいでしょう。酢を多く使用すると今度は、カロテンを壊してしまうので注意しましょう。
にんじんの保存方法
3つのにんじんの保存方法を紹介しています。
夏場のにんじんの保存方法
にんじんを夏場に保存する場合は、泥がついている場合はよく落とし水気をよくふき取ります。そして新聞紙などに包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。
冬場のにんじんの保存方法
冬場のにんじんの保存方法は夏場とは逆に乾燥を防ぐため新聞紙には包まずポリ袋にそのまま入れれば1~2週間の保存が可能です。
にんじんを冷凍する場合の保存方法
にんじんを冷凍して保存する場合は、皮をむいて薄切りや乱切りするなどして切っておきます。さらに茹でてよく水気を切っておきます。保存期間は約 2ヶ月です。使用する際は、凍ったまま炒める、もしくは熱湯にくぐらせて使用します。にんじんは仕込みや調理が面倒なのですぐに使いたいときや料理に彩りが欲しいときなどに便利です。
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